カラスビシャク(烏柄杓) 別名:半夏(はんげ) 学名:Pinellia ternata  戻る
分類:サトイモ科・ハンゲ属、多年草、有毒植物   
分布:全国 生育地:畑  
高さ:20〜40cm 花期:5〜8月 花色:緑色、帯紫色  


畑の草としてよく目にするサトイモ科の多年草、一度根付くと春になると必ず生えてきます。
繁殖力が強く、球茎につく子球、葉柄につく球芽(ムカゴ)、そして種子でも増えます。
春に、地下の球茎から長い葉柄を出して、3枚葉か1枚葉をつけます。
花は球茎から伸びた花茎の先に、初夏から夏にかけて咲きます。
花は仏炎苞に包まれた肉穂花序で、その上に付属体がカーブを描き鞭のように伸びる独特の姿をしています。
仏炎苞の長さは6pぐらい、苞の中に1本の肉質の花軸があって、苞の下部は雌花、上部は雄花が密生しています。
球茎は1〜2pほど、漢方で半夏(はんげ)と呼び、薬用にするそうです。効能は、消化,鎮吐,鎮咳、去痰等。
名前の由来は、仏炎苞をカラスの柄杓に見立て、半夏(ハンゲ)は夏半ばに花をつけるからとか。
私の畑では数が多いですが、種まきや苗植えの時に取り除くぐらいで、野菜作りにはほとんど影響ありません。
      

葉柄には3枚の葉をつけます。

3枚葉が普通ですが、小さなムカゴからは1枚葉。

仏炎苞の上部は花序の付属体が伸びます。

仏炎苞と花序付属体の様子がわかります。付属体の下部は黒紫色、上部は緑色でカーブを描き上に伸びます。

花茎の先には、花序を包み込む仏炎苞があります。
仏炎苞は約6p、苞の中に1本の肉質花軸があります。

@は葉柄地面下のムカゴ、Aは地上のムカゴ。
(ムカゴは葉柄につき、花茎にはつかない)
BとCは球茎で、これから1〜3本の茎が伸びます。
Cは、左は古く、右は子球が大きくなった新しい球茎。

@左は、花柄と葉柄が出て開花したもの。
Aは仏炎苞を開いたもので、下は雌花、上が雄花で、その上に黒紫色の付属体。受粉すると子房が成長し、液果になります。Bの左の茎が花柄、右の太いほうが葉柄。球茎の横径は17o。

子房が成長し液果になりました。直径2oほどで数は16個以上、落ちると発芽します。中に1個の種子が入っているようです。