ゆりの木通信 vol.12(2005年3・4月号) |
長〜い冬が終わり、待ちに待った春、ゆりの木もお客様に育てられ、満1歳になりました。2月に、元気の証としてホームページを開設しました。お客様が見て下さったり、思いがけないところからメールをいただいたり、いろいろな反響がありました。秋田の地域情報などへのリンクも充実しましたので、時々覗いて下さいね。 忙しさに追われ、なかなか更新できなかったゆりの木通信、今回は採る楽しみ、食べる喜びを与えてくれる山菜です。 |
■誰でもわかる、誰でも採れる春の息吹、山菜 |
★タラノメ (ウコギ科) タラノメはタラノキの若芽で、山菜の王様と呼ばれるほど人気があり、誰でも採れる一般的な山菜です。 タラノキは高さ4mほどのトゲの多い木で、山地の明るい林内や林道わきに生えます。日当たりが悪くなったり、枝を切ったり、芽を採りすぎたりすると枯れ死し、見かけによらずデリケートな木です。芽は枝の先端につき、4月中旬から5月下旬の10cm前後のものが食べ頃です。大きくなりすぎるとエゴ味(アク)を増します。これは山菜全般に言えることです。 芽が小さいときに枝ごと切って自宅で水栽培する人がいますが、理解できません。三番芽まで採ると、木は死んでしまいます。一人占めしないで、やさしさを持って欲しいと思います。タラノキは一見ウルシに似ていますので注意が必要です。トゲがあるのがタラノキです。
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★ウド (ウコギ科) ウドは野菜として栽培されるほど一般的になりました。丘陵や山地に自生しているのが山ウドで、鮮烈な香りは数段上です。茎は太く高さ1〜1.5mになる多年草で、全体的にうぶ毛のような短毛が生えています。 採取時期は4月下旬から6月上旬ごろで、25〜40cmのものが採りごろです。沢付近や湿り気のある斜面、土が柔らかく崩れやすい斜面が採取ポイントで、前年の枯れたウドの茎が目印になります。 ウドの大木と馬鹿にされていますが、全ての部分が食べられ、先端部分の葉の天ぷらは、タラノメに勝るとも劣らずです。
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★ワラビ (ワラビ科) 日当たりの良い草地や丘陵、土手などに自生する多年草シダ植物。 4月下旬から6月中旬までの、30cmぐらいのものが採りごろです。手で自然に折れるところで折り採り、アクが強いので手袋をしないと手荒れします。 ワラビをたくさん食べると牛は血尿症にかかるとか、プタキロサイドという発がん物質が含まれているとか言われています。しかし「アク抜き」をすることによって発がん物質などはほとんどとり除かれるそうです。 「アク抜き」は理にかなった知恵、安心しておいしくいただきましょう。
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■簡単な山菜料理 ★下ごしらえ 硬い根元や食べられない部分を切り捨て、ざっと水洗いします。ワラビは重曹でアク抜き後、根元を1cmぐらい切捨て水洗いします。 ワラビのアク抜きの方法 大きめの容器にワラビを並べ、重曹(炭酸水素Na)を振りかけ、熱湯をかけます。一晩置いたあと水洗いします。重曹が少ないと、色が悪くて苦く、多すぎると、表面の皮がむけ柔らかすぎになります。 |
★タラノメ、ウドの天ぷら ほとんどの山菜は天ぷらにできます。天ぷらにすると、アクが少なくなり食べやすくなります。タラノメとウドの葉は食べやすい大きさに切ります。小麦粉はあまりかき混ぜないで粉が残るくらいにざっくりと混ぜます。いっぺんに作らず、少しずつ粉を足しながらやると、ぼってりしない天ぷらが出来上がります。 自信が無いときは、粉に少しベーキングパウダーを入れると上手に揚がります。 |
★タラノメ、ウドのみそ漬け 大きめなタラノメはみそ漬けにしましょう。葉の部分と茎に分け、さっと湯がいて水で冷まし、水気を取ってビニール袋に入れ、まぶす量のみそを入れます。一晩置いたら出来上がり。水洗いし、適当な大きさに切って食べます。 ウドは茎を使い、皮を剥いてタラノメと同じように作ります。ウドの葉と皮は佃煮に利用します。 |
★ウドの酢みそ和え 皮を剥いたウドの茎を短冊に切って、さっと湯がいて水にさらします。水気をきっちり取り、酢みそと和えて出来上がり。酢みそは、酢、みそ、砂糖を混ぜて好みの味に作ります。 |
★ウド・タラノメの佃煮 茎、葉や皮を細かく刻んで、しばらく水にさらします。水気を切り、ゴマ油かサラダ油で炒め、醤油、砂糖、酒、唐辛子、ゴマ(多め)などで味付けします。水分が飛んで、パラパラになるまで煎ると日持ちします。 見た目は悪いですが、味はバッチリ、ご飯に最高です。 |
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★ワラビのおひたし 下ごしらえしたワラビを4cmぐらいに切りそろえて、おろししょうが、花鰹を振りかけ、醤油でさっぱりと。 マヨネーズ醤油も意外に美味しいです。湯がいた短冊ウドも同じようにどうぞ。 |
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秋田は山菜の宝庫。でも、自然を大切に根こそぎ採らないで、毎年楽しみたいものです。 |